【布袋戯】とは?⑧『台湾の布袋戯4:テレビシリーズの制作大公開』

霹靂(PILI)のいろいろ
07 /27 2009
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【布袋戯】とは?⑧『台湾の布袋戯4:テレビシリーズの制作大公開』



1970年3月2日に台視が黄俊雄の布袋戯『雲州大儒侠・史艶文』を放送し97%の超高視聴率を記録して以来、政治的な理由からさまざまな規制を受けたり放送を禁止されたりした時代を経て、1995年に黄家の強華・文擇兄弟が専門チャンネル「霹靂衛星電視台」設立し、現在まで「霹靂布袋戯」の人気はとどまるところをしらない。





ビデオレンタル時代は1ヶ月に2話~4話。
今は専門チャンネルで毎週金土日に3話。(月~木は旧作を放送)
話数は1000話を越えるロングランとなった。


いまや映画制作、他業種と提携してのグッズ開発などマルチな発展をしている霹靂国際多媒体。
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「十車書」の異名をもつ黄強華氏が脚本を担当し(現在は脚本チームがある)、「八音才子」の異名をもつ黄文擇氏がセリフを担当し生み出される霹靂シリーズは、武侠もののRPG風、異界の人物?も入り乱れSFでファンタジーな要素ももち、恋愛ありホラーありの盛りだくさんなエンターテインメント。
木偶のサイズも撮影向きに大きくなり、より複雑な動作ができるよう改良が重ねられ、音楽には流行歌も取り入れられた。



CGやテレビゲームに目が慣れた現代っ子たちをも虜にする霹靂布袋戯の、こうしたエンターテインメント満載の魅力は、テレビ放送というメディアゆえ実現しているとも言える。
雨が降ったり雷が轟いたり、爆撃や飛んだり跳ねたり、伝統的な舞台人形劇のままでは実現し得なかった演出と視覚聴覚効果は、放送というメディアならではのもの。
さらに映画制作の手法も取り入れスケールが広がった。


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ハデな演出に眼を奪われる霹靂布袋戯だが、「セリフは一人、両手で人形を操り、人形は木を掘って作られる」という布袋戯の特徴はしっかり継承している。
この「セリフは一人」がとりわけ特別で、「八音才子」黄文擇氏の替わりいないといわれるほど、彼のセリフは霹靂布袋戯に欠かせぬ重要なものである。
いくつもの声音を演じ分けるというだけでなく、黄文擇氏ならではといえる味わい深い台湾語(日常で使ったらわからないような言葉が出てくる)も、霹靂の魅力を深めている。



霹靂の撮影は独特で、先ず黄文擇氏のセリフを収録することから始まる。
録音スタジオは黄文擇氏の自宅に作られた特設のスタジオである。
収録が済むと、その彼のセリフに合わせて、操師たちが木偶を操りセットが動かされ、効果が起こされ、カメラが動き・・・
つまり、彼のセリフに合わせて劇が創られていくのである。
日本のアニメやアニメ映画の撮影とはまったく反対の方法がとられている。いかに霹靂布袋戯にとって、黄文擇氏のセリフが重要かがわかる。
情景のすべてを画がなくとも演じられる黄文擇氏はまさに霹靂布袋戯の申し子のような存在である。




霹靂布袋戯には、水戸黄門のような「お約束」のドラマ構成パターンがあって、
1話のドラマはまず「武戯」(戦いのシーン)から始まり、中盤に「文戯」(対話が続き物語が進むシーン)があり、ラストに「武戯」(戦いのシーン)が少しあり思わせぶりなところで「次回へ」となる。
これは『雲州大儒侠・史艶文』の時から変わらないパターンである。




霹靂には字幕がついているが、これは繁体字の普通語(北京語)で、台湾語がわからない台湾人・中国人のためについている。
また、布袋戯では「蛇」という言葉は使わないし口に出さないきまりがあるが、霹靂でもその伝統は守っている。なぜ「蛇」が禁句・禁物かというと、これにはさまざまな仮説がありはっきりしたことはわからないが、一説には蛇は布袋戯の守り神だからと言われている。




--->> 【布袋戯】とは?⑨『台湾の布袋戯5:霹靂シリーズ一覧』




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